私は、大学を卒業して、参議院事務局に入り、途中3年間の外務省出向がありますが、約10年間国会職員として働きました。ちなみに、在米大使館でも米国議会を担当しました。その後、馬淵澄夫代議士の政策担当秘書も務めました。若手議員の中には、霞が関の官僚出身の人間は多くいますが、霞が関ではなく永田町、立法府に関わるキャリアを積んだ人間は珍しいと自負しています。それ故に、私は、国会、議会のあり方に大きな関心を持っています。
「行政改革」という言葉が数多く語られる一方で、私は、「国会改革」が不十分だと感じてきました。また、昨今の「決められない政治」のある部分は議会制度に起因しています。
1. 議会雑費の廃止を
議員の特典廃止や議員年金の廃止などこれまでも少しずつですが、見直しが進められてきた部分もあります。最近も議員歳費に日割り支給を導入することや私鉄とバスの議員無料パスが廃止になりました。しかし、私はまだまだできることがたくさんあると思っています。
例えば、議会雑費。議長、副議長、委員長など国会役員には、国会開会中1日6,000円が支給されています。衆参合わせた予算額は5,490万円ですが、当初予算には常会150日分しか計上されていませんので、実際の支出額もっと多くなります。私は、現在、議員運営委員会の委員を務めていますが、私も呼びかけ人の一人となって議会雑費の廃止を提案しています。小さなことでもできることから実現していきたいと思います。
私は、自分の出身の国会事務局の改革も必要だと考えています。既に平成17年には手書き速記の段階的廃止が決まっていますが、運転、警務等の業務の機械化や民間委託の徹底、衆参両院法制局の統合、両院及び立国会図書館の調査部門の統合などによってスリム化と機能強化を実現すれば、人件費を中心に相当な経費削減効果を期待できると考えています。
さらに、遅れが指摘されている旧事務総長公邸や法制局長公邸など国会が所有していた資産の売却も進めるべきです。
2. 参議院のあり方の見直し
衆参両院の事務局の統合のような話をすると、必ず出るのが「院の独立」という話です。しかし、両院の独立と補佐機構が別々にあることは厳密に言うと関係ありません。
小泉首相が平成14年に衆参で別々に行われている政府演説について「同じ内容のものを衆・参両院でやっている。一緒にできないのか。立法府の改革も聖域じゃない。」と発言をして議論となりました。いかにも小泉さんらしい発言ですが、世間に近い感覚で核心をついた発言と言えます。理論的には難しい部分はありますが、個人的には、工夫次第では簡略化を図ることは可能だと考えます。
この議論はさておき、今回、史上初めて、野党が参議院で首相の所信演説を拒否しました。私は、このことは、参院のあり方そのものを問うことにつながると思います。
参院の意思として問責した首相の所信を受ければ問責決議の効果が否定されるというのが野党の理屈でしょうが、これは大きな間違いです。そもそも法的根拠のない問責によって、政権が退陣に追いこまれたり閣僚が交代させられること自体がおかしいのです。
二院制をとる国の中でわが国の参議院ほど強い権限を持つものはありません。強すぎる参議院と衆参のねじれが「決められない」政治の一つの元凶であることは間違いありません。私は、このままでは参議院不要論が高まることは必至だと思います。少なくとも二院制を維持するならば、その役割と構成を衆院とは明確に変えるべきだと考えます。
政権交代の大きな意義は、野党もいつか政権につく可能性があると同時に与党もまた野党に転落する可能性があるということです。特例公債法の成立を人質にとるような国会運営は、お互いに与野党を経験した今、いかに不毛なことかは自明のことです。
時代は大きく変わったのに、国会運営のルールは、55年体制の影を引きずったままで、政権交代可能な政治システムを反映しておらず、国会での意思決定が社会・経済の変化のスピードに対応できていないことを痛感しています。国会改革を行わなければ、どの政党が政権をとっても、「決められない政治」は変わりません。国会改革を急ぐべきです。