HOME > ブログ

ブログ

前へ«12|3

【書評】「強いリベラル」加藤紘一

2013年04月02日

「強いリベラル」加藤紘一著 2007.6.30文芸春秋

 順風満帆に見える安倍政権、一方では、野党第二党の日本維新の会は、憲法96条改正に向けた安倍政権への協力を明確にし、国会での質問等を聴いていても与党の補完勢力としか映らない。
 「何か違う…。参議院選の後、日本の政治はどこへ向かっていくのか?」そんな想いが胸をよぎる。そんな中、先日、毎日新聞に載った野中広務元官房長官のインタビューには溜飲を下げた。
 そして、たまたま手にした「強いリベラル」を読んで、強い共感をおぼえた。

 加藤紘一氏は、言わずと知れた自民党の大物政治家、官房長官や宏池会会長を務めたが、昨年の総選挙で落選をした。この本は、2002年に秘書の起こした事件の責任をとり加藤氏が議員辞職し浪人生活を送った時の経験を下敷きにして書かれている。
 加藤氏は、原点に返り、地域での座談会を繰り返す中で、地域社会を支えているのは、自分の主張は抑えて、率先して嫌な仕事をして、見えない部分で少し身銭をきって働く「まとめ役」であることに気づく。

 実は、私もまったく同じように感じている。町内会長や地区長、「あの人が言うなら」と尊敬を集めている「まとめ役」は、「保守系」で、自民党支持者が多いのが事実である。自民党が長い間政権を維持してきたのは、こうした「良識ある保守層」に支えられてきたからだと思う。反対に、政権交代を果たした民主党が二大政党による政権交代可能な政治を定着させるためには、この「良識ある保守層」を振り向かせる必要があるのだと思う。

 加藤氏は「『保守』というのは、本来、地域の共同体を基盤とする『おおやけ』に配慮する政治だったのに、今の自民党はそのことを忘れてしまったのではないか。」と述べている。
そして、地域の共同体を崩す市場原理主義により、「小泉政権で自民党は保守政党でなくなった」と主張している。著書の中では、雇用や教育における格差の問題を取りあげて、さらに具体的にそのことを述べている。

 そこで、加藤氏は「強いリベラル」という概念を持ち出す。加藤氏は「私は、この『リベラル』という言葉を「他人を気遣う心」と定義したいと思います。市場原理主義は、各人が欲望を最大限に追求することを善と考え、そのことの総和で社会は結果的にうまくいくと考えています。私はそうは考えていない~自分だけではなく、他人とともに幸福になっていこうという意志をまず第一義におく、それが『リベラル』なのだと考えたいと思います。」、「そしてそうした『他人を気遣う心』、思いやりで形成されるのが『地域の共同体』」であると述べている。

 私は、加藤氏が述べるこのリベラル保守こそが民主党の目指すべき道だと考える。私たちが目指したことは「保守」二大政党による政権交代可能な政治である。
 そして、一方では、自民党安倍政権では、リベラル保守は影が薄い。中選挙区時代には、自民党の中でリベラル派と保守派の均衡と派閥単位の疑似政権交代がはかられていた。野党第二党の日本維新の会の綱領を見ても、右傾化の傾向が強い。
 
 おおやけに配慮し、地域に根差す保守であり、かつ他者への思いやりのある政治を私自身も目指していきたい。

カテゴリー: 書評 

【書評】「強いリベラル」加藤紘一

2013年04月02日

「強いリベラル」加藤紘一著 2007.6.30文芸春秋

 順風満帆に見える安倍政権、一方では、野党第二党の日本維新の会は、憲法96条改正に向けた安倍政権への協力を明確にし、国会での質問等を聴いていても与党の補完勢力としか映らない。
 「何か違う…。参議院選の後、日本の政治はどこへ向かっていくのか?」そんな想いが胸をよぎる。そんな中、先日、毎日新聞に載った野中広務元官房長官のインタビューには溜飲を下げた。
 そして、たまたま手にした「強いリベラル」を読んで、強い共感をおぼえた。

 加藤紘一氏は、言わずと知れた自民党の大物政治家、官房長官や宏池会会長を務めたが、昨年の総選挙で落選をした。この本は、2002年に秘書の起こした事件の責任をとり加藤氏が議員辞職し浪人生活を送った時の経験を下敷きにして書かれている。
 加藤氏は、原点に返り、地域での座談会を繰り返す中で、地域社会を支えているのは、自分の主張は抑えて、率先して嫌な仕事をして、見えない部分で少し身銭をきって働く「まとめ役」であることに気づく。

 実は、私もまったく同じように感じている。町内会長や地区長、「あの人が言うなら」と尊敬を集めている「まとめ役」は、「保守系」で、自民党支持者が多いのが事実である。自民党が長い間政権を維持してきたのは、こうした「良識ある保守層」に支えられてきたからだと思う。反対に、政権交代を果たした民主党が二大政党による政権交代可能な政治を定着させるためには、この「良識ある保守層」を振り向かせる必要があるのだと思う。

 加藤氏は「『保守』というのは、本来、地域の共同体を基盤とする『おおやけ』に配慮する政治だったのに、今の自民党はそのことを忘れてしまったのではないか。」と述べている。
そして、地域の共同体を崩す市場原理主義により、「小泉政権で自民党は保守政党でなくなった」と主張している。著書の中では、雇用や教育における格差の問題を取りあげて、さらに具体的にそのことを述べている。

 そこで、加藤氏は「強いリベラル」という概念を持ち出す。加藤氏は「私は、この『リベラル』という言葉を「他人を気遣う心」と定義したいと思います。市場原理主義は、各人が欲望を最大限に追求することを善と考え、そのことの総和で社会は結果的にうまくいくと考えています。私はそうは考えていない~自分だけではなく、他人とともに幸福になっていこうという意志をまず第一義におく、それが『リベラル』なのだと考えたいと思います。」、「そしてそうした『他人を気遣う心』、思いやりで形成されるのが『地域の共同体』」であると述べている。

 私は、加藤氏が述べるこのリベラル保守こそが民主党の目指すべき道だと考える。私たちが目指したことは「保守」二大政党による政権交代可能な政治である。
 そして、一方では、自民党安倍政権では、リベラル保守は影が薄い。中選挙区時代には、自民党の中でリベラル派と保守派の均衡と派閥単位の疑似政権交代がはかられていた。野党第二党の日本維新の会の綱領を見ても、右傾化の傾向が強い。
 
 おおやけに配慮し、地域に根差す保守であり、かつ他者への思いやりのある政治を私自身も目指していきたい。

カテゴリー: 書評 

通常国会召集

2013年01月28日

 本日、第183回・通常国会が召集となりました。野党になりましたが、二期生となりました。国会活動もこれまで以上に充実させていこうと思います。

1. アベノミクスを竜頭蛇尾にするな!
 我々は、野党になったからといって何でも反対ではいけないと思います。特に、大胆な金融緩和によって、円安・株高という結果を出していることについては素直に評価すべきだと思います。
 しかし、肝心なのは、先行する期待が実体経済の回復に結びついていくのかです。縁起でもないことですが昨年辰年の暮れから始まった円安・株高の流れが竜頭蛇尾で終わってしまっては意味がありません。そのためには、大企業を中心とした業績回復が中小企業へと波及するかどうか、さらには雇用や賃金の上昇に結びつくかどうかが鍵を握っています。
 デフレ脱却や円安による輸出産業の回復は歓迎すべきことですが、インフレで物価が上昇し、円安でガソリン代や電気・ガス代が上がる一方で、給与が上がらなければ勤労者、庶民の生活は苦しくなるだけです。
 3月末には、民主党政権が施行した中小企業金融円滑化法が期限切れとなります。また、今年の秋には、来年4月からの消費税率引き上げを最終判断するタイミングがやって来ます。秋の時点で本格的な景気回復の見通しがたつようにしていくには、まだこれからです。

2. 時計の針を戻していいのか?
 いいことは、我々も支えていくことが当然です。しかし、民主党がやったことはすべて気に食わないと言ってかたっぱしから元に戻していくことには納得がいきません。
 民主党政権下で、公共事業予算は約3割削減し、教育費や社会保障費は約1割増額しました。しかし、安倍政権では、公共事業バラマキが復活しています。その結果、民主党政権が決めた44兆円の新規国債発行枠は破られ、52兆円に膨らみました。消費増税は 「日本をギリシャにしないため」だったはずなのに、将来世代にまた借金をつけまわしているのです。
 一方で、小学校2年生まで拡大してきた35人学級はもう止めると言っています。
 さらに、民主党政権が創設した一括交付金を廃止し、ひも付き補助金に戻すことを決めました。これでは、口利き政治が復活し、利権の見返りに業界が政治献金をする政官業の癒着構造に戻るだけです。
 
3. あれでいいのか車体課税
 税制改正でも、自民党本部の廊下に業界団他の代表が列をなして陳情合戦を繰り広げるいつか見た風景が復活しました。
 経済界は、概ね与党の税制改正大綱を評価しているようですが、注目の車体課税の見直しの内容は私には承服しがたいものです。
 自動車取得税は、消費税10%引き上げ時に廃止をするとしている一方で、その分の財源の一部を地方税の自動車税で穴埋めするとしている。さらに、自動車重量税は、エコカー減税を恒久化して、現在のユーザー負担を固定化し、道路の維持管理に使うとしています。小泉、安倍内閣を経て福田内閣で廃止した道路特定財源を復活させることに至っては開いた口が塞がりません。

 本日、安倍首相の所信演説を聴きました。経済、外交安保、復興以外には、社会保障にも、原発を含むエネルギー政策にも、行革や定数削減を含む誠意改革にも一切の言及がありませんでした。海江田代表も「一言で言えば『空にして疎』」と斬り捨てました。
 いよいよ国会論戦の始まりです。民主党は、政権運営の未熟さや党内の不一致から国民の信頼を失いました。しかし、その目指してきた方向がすべて間違っていたとは思いません。今一度、生活者、納税者、勤労者の代表として、国会での論戦に堂々と挑んでいく決意です。
P1281281.JPG

カテゴリー: 国会 

通常国会召集

2013年01月28日

 本日、第183回・通常国会が召集となりました。野党になりましたが、二期生となりました。国会活動もこれまで以上に充実させていこうと思います。

1. アベノミクスを竜頭蛇尾にするな!
 我々は、野党になったからといって何でも反対ではいけないと思います。特に、大胆な金融緩和によって、円安・株高という結果を出していることについては素直に評価すべきだと思います。
 しかし、肝心なのは、先行する期待が実体経済の回復に結びついていくのかです。縁起でもないことですが昨年辰年の暮れから始まった円安・株高の流れが竜頭蛇尾で終わってしまっては意味がありません。そのためには、大企業を中心とした業績回復が中小企業へと波及するかどうか、さらには雇用や賃金の上昇に結びつくかどうかが鍵を握っています。
 デフレ脱却や円安による輸出産業の回復は歓迎すべきことですが、インフレで物価が上昇し、円安でガソリン代や電気・ガス代が上がる一方で、給与が上がらなければ勤労者、庶民の生活は苦しくなるだけです。
 3月末には、民主党政権が施行した中小企業金融円滑化法が期限切れとなります。また、今年の秋には、来年4月からの消費税率引き上げを最終判断するタイミングがやって来ます。秋の時点で本格的な景気回復の見通しがたつようにしていくには、まだこれからです。

2. 時計の針を戻していいのか?
 いいことは、我々も支えていくことが当然です。しかし、民主党がやったことはすべて気に食わないと言ってかたっぱしから元に戻していくことには納得がいきません。
 民主党政権下で、公共事業予算は約3割削減し、教育費や社会保障費は約1割増額しました。しかし、安倍政権では、公共事業バラマキが復活しています。その結果、民主党政権が決めた44兆円の新規国債発行枠は破られ、52兆円に膨らみました。消費増税は 「日本をギリシャにしないため」だったはずなのに、将来世代にまた借金をつけまわしているのです。
 一方で、小学校2年生まで拡大してきた35人学級はもう止めると言っています。
 さらに、民主党政権が創設した一括交付金を廃止し、ひも付き補助金に戻すことを決めました。これでは、口利き政治が復活し、利権の見返りに業界が政治献金をする政官業の癒着構造に戻るだけです。
 
3. あれでいいのか車体課税
 税制改正でも、自民党本部の廊下に業界団他の代表が列をなして陳情合戦を繰り広げるいつか見た風景が復活しました。
 経済界は、概ね与党の税制改正大綱を評価しているようですが、注目の車体課税の見直しの内容は私には承服しがたいものです。
 自動車取得税は、消費税10%引き上げ時に廃止をするとしている一方で、その分の財源の一部を地方税の自動車税で穴埋めするとしている。さらに、自動車重量税は、エコカー減税を恒久化して、現在のユーザー負担を固定化し、道路の維持管理に使うとしています。小泉、安倍内閣を経て福田内閣で廃止した道路特定財源を復活させることに至っては開いた口が塞がりません。

 本日、安倍首相の所信演説を聴きました。経済、外交安保、復興以外には、社会保障にも、原発を含むエネルギー政策にも、行革や定数削減を含む誠意改革にも一切の言及がありませんでした。海江田代表も「一言で言えば『空にして疎』」と斬り捨てました。
 いよいよ国会論戦の始まりです。民主党は、政権運営の未熟さや党内の不一致から国民の信頼を失いました。しかし、その目指してきた方向がすべて間違っていたとは思いません。今一度、生活者、納税者、勤労者の代表として、国会での論戦に堂々と挑んでいく決意です。
P1281281.JPG

カテゴリー: 国会 

通常国会召集

2013年01月28日

 本日、第183回・通常国会が召集となりました。野党になりましたが、二期生となりました。国会活動もこれまで以上に充実させていこうと思います。

1. アベノミクスを竜頭蛇尾にするな!
 我々は、野党になったからといって何でも反対ではいけないと思います。特に、大胆な金融緩和によって、円安・株高という結果を出していることについては素直に評価すべきだと思います。
 しかし、肝心なのは、先行する期待が実体経済の回復に結びついていくのかです。縁起でもないことですが昨年辰年の暮れから始まった円安・株高の流れが竜頭蛇尾で終わってしまっては意味がありません。そのためには、大企業を中心とした業績回復が中小企業へと波及するかどうか、さらには雇用や賃金の上昇に結びつくかどうかが鍵を握っています。
 デフレ脱却や円安による輸出産業の回復は歓迎すべきことですが、インフレで物価が上昇し、円安でガソリン代や電気・ガス代が上がる一方で、給与が上がらなければ勤労者、庶民の生活は苦しくなるだけです。
 3月末には、民主党政権が施行した中小企業金融円滑化法が期限切れとなります。また、今年の秋には、来年4月からの消費税率引き上げを最終判断するタイミングがやって来ます。秋の時点で本格的な景気回復の見通しがたつようにしていくには、まだこれからです。

2. 時計の針を戻していいのか?
 いいことは、我々も支えていくことが当然です。しかし、民主党がやったことはすべて気に食わないと言ってかたっぱしから元に戻していくことには納得がいきません。
 民主党政権下で、公共事業予算は約3割削減し、教育費や社会保障費は約1割増額しました。しかし、安倍政権では、公共事業バラマキが復活しています。その結果、民主党政権が決めた44兆円の新規国債発行枠は破られ、52兆円に膨らみました。消費増税は 「日本をギリシャにしないため」だったはずなのに、将来世代にまた借金をつけまわしているのです。
 一方で、小学校2年生まで拡大してきた35人学級はもう止めると言っています。
 さらに、民主党政権が創設した一括交付金を廃止し、ひも付き補助金に戻すことを決めました。これでは、口利き政治が復活し、利権の見返りに業界が政治献金をする政官業の癒着構造に戻るだけです。
 
3. あれでいいのか車体課税
 税制改正でも、自民党本部の廊下に業界団他の代表が列をなして陳情合戦を繰り広げるいつか見た風景が復活しました。
 経済界は、概ね与党の税制改正大綱を評価しているようですが、注目の車体課税の見直しの内容は私には承服しがたいものです。
 自動車取得税は、消費税10%引き上げ時に廃止をするとしている一方で、その分の財源の一部を地方税の自動車税で穴埋めするとしている。さらに、自動車重量税は、エコカー減税を恒久化して、現在のユーザー負担を固定化し、道路の維持管理に使うとしています。小泉、安倍内閣を経て福田内閣で廃止した道路特定財源を復活させることに至っては開いた口が塞がりません。

 本日、安倍首相の所信演説を聴きました。経済、外交安保、復興以外には、社会保障にも、原発を含むエネルギー政策にも、行革や定数削減を含む誠意改革にも一切の言及がありませんでした。海江田代表も「一言で言えば『空にして疎』」と斬り捨てました。
 いよいよ国会論戦の始まりです。民主党は、政権運営の未熟さや党内の不一致から国民の信頼を失いました。しかし、その目指してきた方向がすべて間違っていたとは思いません。今一度、生活者、納税者、勤労者の代表として、国会での論戦に堂々と挑んでいく決意です。
P1281281.JPG

カテゴリー: 国会 

『マシンガン・プリーチャー』

2013年01月17日

dvdjake.gif

私は、昨年、国際会議で初めてのアフリカとなるウガンダに行きました。その際、事前にウガンダについて勉強したのですが、その中に、「神の抵抗軍」(LRA)についての記述が出てきました。
霊的預言者、コニー率いるLRAは、ウガンダや南スーダンで、次々に子どもを誘拐し、少年兵にするなど残虐な行為を繰り返してきました

この「マシンガン・プリーチャー」は、南スーダンで、教会と孤児院を建て、自らマシンガンを持って、LRAと戦い、子どもたちの救済活動を行う実在の人物、サム・チルダース氏を描いた物語です。この映画のことは、ウガンダで誰にかに聞いたのですが、年末、偶然にツタヤで見つけて借りました。

主人公、サムは、酒とドラッグに溺れて、どうしようもない生活を送っていたのを、教会で洗礼を受けたのをきっかけに堅気になり、幸運も手伝って建設会社の社長になり、自らと同じような境遇の人々でも通えるような教会を建てる。そして、そこで偶然、ウガンダでのNGO活動の報告をしてもらったことを機に、アフリカの子どもたちを救う活動に家族も犠牲にして全財産をつぎ込むほどのめり込んでいく。

映画の中で神によって救われた主人公がスーダンの子どもたちの絶望的な状況に対して「神はどこにいるというのだ、一体何をしてくれるのか」と叫ぶシーンがあります。サムは、祈るだけでなく、行動する。子どもたちを救うためなら、マシンガンを持ち、人も殺す。信仰というものについて考えさせられる映画です。

特にエンディングロールの中で実在のサム・チルダースがカメラに向かって「もし、あなたの子供や家族が誘拐されたとする。そこで俺が連れ戻してやると言ったら、あなたはその方法を問うだろうか?」という映像があります。ズドーンと重く響く言葉です。拉致問題が私の脳裏をよぎりました。

こんな重いテーマの映画がツタヤの年間ベストの棚に置いてあるのは意外でした。お奨めです。

カテゴリー: ブログ 

歴史的大敗から立ち上がり、国民の信頼を取り戻す

2012年12月26日

 この度の衆議院選挙では、民主党は、改選前の230議席から57議席と大敗を喫しました。あの05年の郵政選挙の大敗の時でも113議席ですから、如何に今回の選挙が厳しいものだったかが分かります。
3年前の総選挙で初当選を果たした同期143名のうち民主党で議席を守ったのは、たったの5名しかいません。うち2名は小選挙区、私を含め3名が比例です。私自身は、今回、多くの皆さまの温かくかつ力強いご支援をいただきながら、私の力不足で小選挙区での勝利を収めることができず、たいへん申し訳なく思っております。もう一度、初心にかえり、どんな逆風の選挙でも愛知13区の代表は大西健介と選んでいただけるよう精進してまいる決意です。
 一方、残していただいた以上、今回の選挙で議席を失った同志の分まで。党再生の先頭に立って働いてまいりたいと思います。この3年、民主党は国民の期待を裏切り、厳しい審判を受けましたが、この国の政治には、世襲政治・派閥政治・金権政治を否定し、生活者・勤労者の視点に立った自民党に対抗しうる政権政党が必要だと確信しています。
 結果は、自民党圧勝ですが、国民は必ずしも自民党を支持した訳ではありません。自民党の比例区の得票数は、1660万票で前回09年から220万票減少しました。05年の小泉郵政選挙と比べると 自民党は1000万票近く得票数を減らしています。
 また、投票率は59.32%と戦後最も低くなりました。今回の選挙では、最後まで決めていないという人や誰に投票していいか分からないという人が多くいました。
 党再生に向けて、早急な新体制の発足が求められている中、特別国会の召集前日のクリスマスには、野田代表の辞任にともなう代表選選挙が行われました。海江田氏以外に火中の栗を拾おうという者が現れない中、中堅若手から誰かが手を挙げて選挙にしなければ、この党の再生なんてありえないという強い危機感から、私は代表選の3日前の夜から馬淵擁立に動き、選対事務局長として代表選挙を戦いました。負けましたが、民主党復活3ヶ年計画を具体的に提示し、解党的出直しに向けた覚悟と決意を党内外に示すことはできたと思います。
海江田新体制の下、馬淵は細野幹事長を支える幹事長代理となりました。今度こそ、党一丸となって再スタートをきってまいります。
 そして、選挙戦を通して訴えてきたとおり、私、大西健介は、次の日本を支えるチカラ、子どもたちのために、モノづくりのために、二期目も全力で働いてまいります。
野党となりましたが、初当選の時は308分の1だった党内での発言の重みは57分の1に増しました。本会議や委員会での質問の機会も与党の時よりむしろ増えると思われます。議員立法にも挑戦してみたいと考えています。
 来年、平成25年の干支は巳年です。ヘビは、どうもいいイメージがしませんが、蛇は弁財天使者と伝えられ富をもたらすと言われています。アベノミクスへの期待から、円安・株高で年の瀬を迎えました。平成25年こそ景気回復、庶民の財布も潤う年となることを期待したいと思います。竜頭蛇尾ということのないようにと願っています。。
 また、ヘビのような執念という言葉もあります。私自身は、党を再生し、国民の信頼を取り戻すために執念を燃やす一年としたいと思います。
 来年が日本にとって明るい年となりますように、みなさまにとってすばらしい年となりますようにお祈り申しあげます。

カテゴリー: ブログ 

衆議院解散にあたって

2012年11月16日

 本日、衆議院は解散しました。私も本会議場で詔書が読み上げられるのを聞き、万感胸に迫るものがありました。
 政権交代から3年が経過し、国民の期待の声は失望へと変わりました。しかし、私は、今でもあの夏の日を忘れることはできません。スーパーの前でマイクを握る私に一人のお婆さんが声をかけてくれました。「がんばりんよ。孫もあんたを応援しとるで。」。よくお話を聴いてみると、お孫さんの家庭は、兄弟が多くて、経済的に厳しいので、お孫さんは高校への進学を迷っているそうです。そのお孫さんが民主党のマニフェストを見て、「僕には投票権がないからお婆ちゃん大西さんに入れて。」と言われたそうです。私は、この話を聞いて、絶対に政権交代を実現しようと心に誓いました。
 その子が高校に進学したかどうかは分かりません。しかし、高校授業料の無償化により、経済的な理由による中途退学者は1,000人以上が過ぎました。授業料の未納が理由で卒業証書をもらえないという生徒はいなくなりました。
 もちろん、できていないこともたくさんあります。私たちは、できなかったことは真摯に反省し、お詫びし、その理由も明らかにして次につなげていかなければなりません。私は、マニフェストは「あれができていない。これができていない。」とあげ足をとるための道具ではなく、民間で行われているようにPDCAサイクルを回すための道具にすべきだと思っています。次につなげなければ、何の意味もないと私は思います。
 国は、例えて言うなら大きなタンカーです。小さな船が180度旋回するようにガラッとは変わりません。ただ、舵はきられました。そのまま進めば氷山に衝突して沈没したかもしれない船は確実に航路を変えつつあります。
 元に戻すのではなく、違う船に乗り換えるのではなく、この船をさらに前進させましょう。私はあきらめません。
 ある支援者の方が私のパーティーでこう挨拶してくれました。「嵐の中で船長はどう対処すべきか。船は横波を受けると転覆する。嵐に向かって進むのが正解だ。」と。逆風の戦いとなりますが、嵐に向かって、ぶれず、ひるまず進んでいきたいと思います。
 私は、国民は一つ一つのマニフェストが守られているかどうかもさることながら、政治家の覚悟と決意を見ているのだと思います。
 私のことを心配してくれる人の中には「離党しないのか。」と言ってくれる人もいます。しかし、私は、少なくとも嵐の中で今、船から逃げ出そうとする人に覚悟や決意は感じません。
 野田首相の政権運営には、皆さまにもさまざまなご評価があろうかと思いますが、先日の党首討論での首相の発言には「身を切る」決意と国を担う覚悟を感じました。
 本日をもって、私も前衆議院議員となりました。胸にバッジがあろうがなかろうが、私の引き続き国を担う熱い気持ちに変わりはありません。今の状況がいいなんて私も思っていません。しかし、ここであきらめるわけにはいかないのです。次の世代にツケを回さず、平和で豊かな日本を引き継ぐために、真っ新な気持ちで明日からの戦いに臨んでいきたいと思います。

大西 健介 拝

カテゴリー: 政治 

【書評】リーダーを目指す人の心得

2012年11月08日

hmv_5194725.jpg

コリン・パウエル著
「リーダーを目指す人の心得」
飛鳥新社

昨日は、アメリカ大統領選挙でオバマ大統領が再選を果たし、4 More Years を手にしました。一方の我が国では、一年ごとに首相が交代することが常態化しています。そんな中、私は、リーダーシップというものに大きな関心を持っています。
たとえば、本棚には、
山内昌之「リーダーシップ 胆力と大局観」新潮新書
半藤一利「日本型リーダーはなぜ失敗するのか」文春新書
といった本が並んでいますが、最近、読んだのがパウエル元国務長官の書いたこの一冊です。
本来は、どんな組織でも同じだが、リーダーが兵士の命を預かっている点において、リーダーの責任が問われる象徴的な組織が軍隊であり、軍人として、陸軍大将、統合参謀本部議長にまで上りつめ、国務長官まで務めたパウエル氏の言葉には学者や評論家とは違う現場感覚と説得力があります。
以下、いくつか印象に残った言葉を抜粋します。

「忠勤とはしっかり反論することであり、また、きちんと実行することである。」

「最終責任を自分が追わなければならないのだから、周囲の圧力や望みに流されるのではなく、自分の判断で選択しろ。」

「優れたリーダーはビジョンやミッション、目標を設定する。~こまごました仕事の向こう側に自分たちの目的があることを理解させるのだ。」

「報酬は受け取るのではなく、勝ち取れ。常にベストを尽くせ。誰も見ていなくても、自分は必ず見ている。自分をがっかりさせるな。」

「指揮官は戦場のどこにいるべきか? 影響力が大きくなるところで、判断がおこなわれるところの近く。」

「服従から仕事に対する誇りやいい仕事をしようという気概が生まれるとは考えにくい。~チームメンバーがリーダーを信頼し、また、自分たちがリーダーに信頼されていると感じていなければならない。~部下の尊敬は、獲得する以外に方法がない。」

「責任はとり、称賛は分け合う」

「リーダーとは? 責任を持って受け持つ勇気のある人物。人々が反応し、この人ならばついていこうと思える人物。」

「・わかっていることを言え。・わかっていないことを言え。・その上でどう考えるかを言え。・この3つを常に区別しろ。」

「ワインと違い、悪いニュースが時間とともによくなることはない。~早い段階で知らせろ。」

「質問や取材をする人の向こうに本当の聞き手がいること、その聞き手に対して語っていることを忘れてはならない。」

「放り出される前に自ら電車を降りる。」

「抑えた示威ほど強く訴えるものはない。」(トゥキュディデス)

「物事をなせるのは、人だけだ。組織や計画、制度は、人を助けるかじゃまするか、である。~どれほど優れた考えでも、それが優れているというだけで成功することはない。~理不尽な考えも、それが本質的に理不尽であるというだけで消えはしない。」

「どこで人生を始めたのかではなく、どこで終わるのかが重要だ。」


カテゴリー: 書評 

国会質問で何を獲るのか

2012年11月07日

今日は、6時間コースで、大臣の所信に対する質疑が行われました。正式な案件名は「厚生労働関係の基本施策に関する件」の審議です。
法案についての質問の場合は、原則は、その法案の内容に関することを質問しなければなりませんが、厚生労働行政全般について質問することができます。
言いにくいことですが、本日の質疑を聞いていて、全般的に、民主党、自民党の質問は、私個人の意見ですが、質が低かったと思います。
どこかがよくないのかと言うと、一つは、自分の主張を述べることが中心になってしまっていること。私はこれを「青年の主張」と呼んでいます。もう一つは、答弁を聞き流して、食い下がることがない点。答弁になっていない答弁でも「それでは、次の質問に移ります。」と言うのでは、質問原稿と答弁原稿を朗読しているだけになってしまいます。
私自身は、もちろん、自分の興味、関心というものもありますが、たとえば、地元を歩いて耳にした声を基に、政府に確認したいこと、求めたいことを有権者に代わって質問する、今、まさに起こっていること、社会の関心が集まっていることについて質問をするようにこころがけているつもりです。さらに、ただ、聞くだけに終わるのでなく、前向きな答弁を引き出したり、国会会議録の中に議論を正式に残すことで、政府を動かすことにつなげていくものでなければならないと思っています。つまり、国会質問の獲得目標を定めて、この質問によって何を獲たいのかを明確にしなければ、ただ、自分のおもいを語るだけに終わってしまいます。残念ながら、そういう質問が散見されるのも事実です。
今日の厚生労働委員会でも野党の質問には、獲得目標が定まっているいい質問も多くありました。
たとえば、公明党の古屋委員の質問では、ノーベル賞を受賞した山中教授が所属する京都大学iPS細胞研究所という社会の関心が集まっている事象について、先に国会で成立した有期雇用に関する労働契約法改正が期限付きの研究所職員の雇用の安定に与える影響について、実際に当事者からヒアリングした話を基にして質問をしました。これは多くの大学関係者が聞きたいと思っていることです。
また、共産党の高橋委員は、脳脊髄液減少症患者へのブラッドパッチ治療について、生活保護受給者に先進医療の適用が認められないことの改善を求めました。高橋委員は、食い下がって厚労省の通達にある「『他に代替できる治療がないこと』という特別の基準にあたるかどうか検討させていただきたい。」という答弁を引き出しました。
さらに、みんなの党の柿澤委員は、NHKの番組でも取り上げられた向精神薬の多剤過量投与の危険について取りあげました。ここでのともに医師である櫻井副大臣、梅村政務官とのやりとりは聴きごたえがありました。国会審議でとりあげられたことで、政府の今後の対応に一定の影響を与えることは間違いないと思います。
私もこれまでの三年間の国会質問で、小さなことであっても、それが結果として、政府を動かしたり、結果に結びついているのもがいくつかあります。今後も「何のために質問するのか」という目的意識をしっかり持って、一回一回の質問の機会を大事にしていきたいと思っています。
ちなみに、事務所で三年間の国会での質問を抜粋した冊子を作成して、先日の地元のパーティーで配布しました。ご希望の方は、事務所までご連絡ください。

カテゴリー: 国会 

国会改革が急務

2012年10月30日

 私は、大学を卒業して、参議院事務局に入り、途中3年間の外務省出向がありますが、約10年間国会職員として働きました。ちなみに、在米大使館でも米国議会を担当しました。その後、馬淵澄夫代議士の政策担当秘書も務めました。若手議員の中には、霞が関の官僚出身の人間は多くいますが、霞が関ではなく永田町、立法府に関わるキャリアを積んだ人間は珍しいと自負しています。それ故に、私は、国会、議会のあり方に大きな関心を持っています。
 「行政改革」という言葉が数多く語られる一方で、私は、「国会改革」が不十分だと感じてきました。また、昨今の「決められない政治」のある部分は議会制度に起因しています。


1. 議会雑費の廃止を
 議員の特典廃止や議員年金の廃止などこれまでも少しずつですが、見直しが進められてきた部分もあります。最近も議員歳費に日割り支給を導入することや私鉄とバスの議員無料パスが廃止になりました。しかし、私はまだまだできることがたくさんあると思っています。
 例えば、議会雑費。議長、副議長、委員長など国会役員には、国会開会中1日6,000円が支給されています。衆参合わせた予算額は5,490万円ですが、当初予算には常会150日分しか計上されていませんので、実際の支出額もっと多くなります。私は、現在、議員運営委員会の委員を務めていますが、私も呼びかけ人の一人となって議会雑費の廃止を提案しています。小さなことでもできることから実現していきたいと思います。
 私は、自分の出身の国会事務局の改革も必要だと考えています。既に平成17年には手書き速記の段階的廃止が決まっていますが、運転、警務等の業務の機械化や民間委託の徹底、衆参両院法制局の統合、両院及び立国会図書館の調査部門の統合などによってスリム化と機能強化を実現すれば、人件費を中心に相当な経費削減効果を期待できると考えています。
 さらに、遅れが指摘されている旧事務総長公邸や法制局長公邸など国会が所有していた資産の売却も進めるべきです。

2. 参議院のあり方の見直し
 衆参両院の事務局の統合のような話をすると、必ず出るのが「院の独立」という話です。しかし、両院の独立と補佐機構が別々にあることは厳密に言うと関係ありません。
 小泉首相が平成14年に衆参で別々に行われている政府演説について「同じ内容のものを衆・参両院でやっている。一緒にできないのか。立法府の改革も聖域じゃない。」と発言をして議論となりました。いかにも小泉さんらしい発言ですが、世間に近い感覚で核心をついた発言と言えます。理論的には難しい部分はありますが、個人的には、工夫次第では簡略化を図ることは可能だと考えます。
この議論はさておき、今回、史上初めて、野党が参議院で首相の所信演説を拒否しました。私は、このことは、参院のあり方そのものを問うことにつながると思います。
 参院の意思として問責した首相の所信を受ければ問責決議の効果が否定されるというのが野党の理屈でしょうが、これは大きな間違いです。そもそも法的根拠のない問責によって、政権が退陣に追いこまれたり閣僚が交代させられること自体がおかしいのです。
 二院制をとる国の中でわが国の参議院ほど強い権限を持つものはありません。強すぎる参議院と衆参のねじれが「決められない」政治の一つの元凶であることは間違いありません。私は、このままでは参議院不要論が高まることは必至だと思います。少なくとも二院制を維持するならば、その役割と構成を衆院とは明確に変えるべきだと考えます。
 政権交代の大きな意義は、野党もいつか政権につく可能性があると同時に与党もまた野党に転落する可能性があるということです。特例公債法の成立を人質にとるような国会運営は、お互いに与野党を経験した今、いかに不毛なことかは自明のことです。
 時代は大きく変わったのに、国会運営のルールは、55年体制の影を引きずったままで、政権交代可能な政治システムを反映しておらず、国会での意思決定が社会・経済の変化のスピードに対応できていないことを痛感しています。国会改革を行わなければ、どの政党が政権をとっても、「決められない政治」は変わりません。国会改革を急ぐべきです。

カテゴリー: 国会 

【書評】やなせたかし 明日をひらく言葉

2012年09月06日

やなせたかし 明日をひらく言葉


「やなせたかし 明日をひらく言葉」
 PHP研究所編/PHP文庫


なんのために生まれて
なにをして生きるのか


この哲学的問いかけは、なんとアンパンマンのマーチの一節です。
幼児向けのアニメの主題歌アンパンマンのマーチの詩は、あらためて読み直すと、本当にいい詩です。
東日本大震災の時に、ラジオ番組に、アンパンマンのマーチのリクエストが殺到し、多くの被災者が勇気づけられました。

新幹線の駅のキオスクで偶然、手にしたこの本を読んで、これを作詞したアンパンマンの作者で漫画家のやなせたかしさんが詩人でもあることをはじめて知りました。皆さんは、子どもの頃に誰もが歌ったことのある「てのひらを太陽に」の作詞もやなせさんだと知っていましたか。

未熟児で生まれたやなせさんは、幼少期は劣等感に悩み、実はアンパンマンがブレイクしたのは、70歳の頃だそうです。「なんのために生まれて なにをして生きるのか こたえられないなんて そんなのはいやだ!」という詩には、やなせさんの懊悩が表現されています。
その一つの答えがこんな言葉として表れています。

人間が一番うれしいことはなんだろう?
長い間、ぼくは考えてきた。
そして、結局、人が一番うれしいのは、
人をよろこばせることだということがわかりました。
実に単純なことです。
ひとはひとをよろこばせることが一番うれしい。

私は、これはいい言葉だと思います。たとえば、一所懸命、料理を作って、「おいしい」と食べて、よろこんでくれる人の笑顔を見るのがうれしい。自分の仕事を通して、人をよろこばし、幸せにする、これは、人生の究極の目標かもしれません。

アンパンマンは、正義のヒーローです。やなせさんは「アンパンマンは世界最弱のヒーローだ」と言います。やなせさんの正義についての考え方がまたこれがいい。

悪人を倒すことよりも、
弱い人を助ける。
ぼくが望む正義は、それほど難しことではないのです。

アンパンマンは、自分の顔をちぎって人に食べさせる。
本人も傷つくんだけれど、それによって人を助ける。
そういう捨て身、献身の心なくしては
正義は行えない。

人をよろこばせることが人生の目的、身を捨ててもで弱い人を助ける、いずれも政治家として肝に銘じたい。

カテゴリー: 書評 

竹島、尖閣諸島をめぐる領土問題

2012年08月26日

 今年の市制60周年を記念する安城七夕まつりでは、韓国のアンソン市から来た男寺団(ナムサダン)の演技が披露され、綱渡りに象徴されるように日韓の友好の絆が結ばれた。しかし、それから間もない時期に起こった李大統領の竹島上陸は、韓流ドラマやK-POPの流行により高まっている市民レベルでの日韓の友好関係に水を差す行為であり、憤りと強い怒りを感じる。
 私は、かつて外務省の北東アジア課に勤務し、韓国や北朝鮮に関する外交に携わったことがある。歴史的に見ても、広大な国土と人口を持つ中国は東アジアに覇を唱える可能性のある国である。強大な軍事力を保有し、共産主義体制をとる中国に対して、自由主義や民主主義の価値を共有する日米韓が緊密に連携することは東アジアの安定に不可欠である。
 しかし、重要な友人であるが故に、この度の李大統領の常軌を逸した行為に対しては、言うべきことはきちんと言い、毅然とした態度で臨むべきである。
 これまで、自民党政権の時代から、政府は、日韓関係全体に及ぼす影響に対して一定の配慮をして、韓国による「不法占拠」に対して十分な対応を採ってこなかった。実際、1952年の李承晩ライン設定以降、灯台やヘリポートの設置の度に、口上書による抗議をしてきただけで、不法占拠の既成事実化を事実上見て見ぬふりをしてきたことを深く反省すべきである。
 玄葉外相の言うように、今回の大統領の竹島訪問で、「配慮は不要になった」。日韓のハイレベル協議の延期、日韓通貨交換協定の白紙検討を含むあらゆる考えられる対抗措置を採るべきだ。特に、国際司法裁判所への提訴を粛々と進めることは一定の効果があると私は考える。野田首相の言うように、韓国は自らの主張に理があると言うのなら「堂々と応じればいい」。たしかに、過去2回、ICJに提訴した時にも韓国は付託を拒否しているが、前回は50年前のことで、韓国は国連にさえ加盟していなかった。ロンドン五輪の男子サッカーの試合で政治的メッセージを掲げた行為が平和の祭典であるオリンピックの精神とスポーツマンシップを汚す行為として世界のひんしゅくをかったのと同じように、世界的な経済大国の一つである韓国が、国際法にのっとり、冷静、公平かつ平和的に紛争を解決することを拒む理不尽さを国際社会に向けて強くアピールすべきである。

 尖閣諸島についても我が国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いのないことであるが、この度の不法上陸事案について、次の2つの理由から、竹島問題とは分けて考える必要があると考える。第一は、竹島は大統領という国家元首の上陸だったのに対して魚釣島は香港の民間活動家らによる上陸だったこと、第二は、不法占拠されている竹島と違い尖閣諸島は我が国が有効に支配をしている点である。
一点目について言うと、尖閣に上陸した香港の活動家らは、反共愛国主義活動家で、普段のデモでは中国旗を燃やしており、中国政府は、彼らを危険人物として入境を認めていない。しかも、このうち一人は9月の香港の立法議会選挙に出馬している。さらに、香港の親中派政権は、洗脳教育反対の民主派デモから目をそらすために彼らを利用しようとしていると言われる。日本のマスコミが彼らを大きく取り上げることは、まさに彼らの思うつぼである。中国政府も新体制移行を直前に控えて、愛国主義デモが反政府デモに飛び火することを懸念しており、今回は極めて抑制的な反応を示していることに注意を払うべきだ。
二点目は、竹島と違い日本は尖閣諸島を有効に支配していることを忘れてはならない。日中国交回復の際、時の周恩来総理は、この問題のいわゆる「棚上げ」を主張した。重要なのは、棚上げは中国にとって有利なことではない。なぜなら、それは暗に、日本の実効支配を変更することを求めないことを意味しているからである。棚上げ合意の廃止はむしろ中国軍部が望んでいることなのだ。20年前は、中国の名目GDPは日本のわずか1割強に過ぎなかったが、現在では中国は日本を抜きGDPで世界第二位となった。私たちがやるべきは、感情に走って徒に棚上げ合意を破棄することではなく、有効な支配をより強固なものにすることである。避難港の設置をはじめ、相手を無用に刺激しないように注意しながら、構造物の設置等の既成事実を積み重ねる努力を急ぐとともに、再び上陸しようとする者を防ぐための海上保安庁法の改正や警備体制の強化を進める必要があると考える。

 竹島、尖閣諸島の両方に共通する課題として、日本人の多くが韓国や中国の主張に対して正確な反論をするだけの正しい知識を持っていないことが挙げられる。学校教育はもちろん、一人ひとりの国民が正しい知識を身につけずして、領土を守ることはできない。もう一つは、その基礎となる調査・研究も国がもっと本腰を入れて行うべきである。中国や韓国は政府主導で必死に理論武装をしてきている。さらに、その調査研究の成果を対外的に大きく発信をしていかなければならない。この点、24日、野田首相自身が記者会見で自らの言葉で竹島と尖閣諸島がわが国固有の領土であることを説明したことは評価できる。

 最後に、領土問題を政争の具にすることは、それこそ、周辺国の思うつぼである。国益に党派はない。大局を見失うことなく、断固として、領土を守っていく覚悟だ。

カテゴリー: 政治 

【書評】修身の教科書

2012年08月11日

bookreview20120811.jpg


「修身の教科書」
小池 松次 著
サンマーク出版


 修身めるというと、何か軍国教育のイメージを持ってしまうところがありますが、ここに収められた文章は、どれも読みやすく、子どもでも興味深く読める内容のものばかりです。
 私は、小学校の低学年の頃には、よく図書室で、偉人の伝記を借りてきて読んだものですが、そういう偉人にまつわる話から、日本人として忘れてはならない徳目、努力・勤勉、勤労・勤勉、創意・挑戦、奉仕・孝行、質素・養生といった徳目が自然に涵養される内容となっています。
 最近は、学校でのいじめが、また、社会問題化していますが、これを読むと、修身のような教育を初等教育の段階でやることが必要だと感じます。

カテゴリー: 書評 

前へ«12|3

ページの先頭へ