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アベノミクスの不都合な真実

2013年05月29日

1. 実体経済の回復はこれから
 アベノミクスによる円安・株高によって、景気回復への期待感が高まっていますが、為替差益による輸出大手の業績回復や株価上昇による富裕層の消費が中小企業や勤労者にまで波及するかどうかは、これからです。
 円安は、自動車産業をはじめとする製造業にとっては、たしかに追い風ですが、円高でも利益が出るようにと既に海外生産、現地調達の流れが進んでいます。円安とは関係なく仕事量そのものが減る傾向にあり、中小は苦しいという声もよく耳にします。過去最高益を視野に入れるトヨタも国内での設備投資には慎重で、頼みの設備投資の回復の兆しは未だ見えません。
 また、マンション業界は、消費税引き上げを見越した駆け込み需要もあり活気づいてきているものの、サラリーマンの所得は増えてないので、高価格帯と低価格帯は売れているが、最も多い中間価格帯の物件はそれほどでもないとの指摘もあります。
さらに、百貨店で高級品の売り上げが伸びている一方で、スーパーの売上高は前年比減で弱含みが続いており、消費者の財布のヒモは固く、円安による食品の値上がりがそれに追い打ちをかけています。
そして、ここに来て、エネルギーや食品の輸入コストのアップという円安の負の側面に加えて、株価の乱高下や長期金利の上昇といった不気味な動きも出始めています。

2. インフレで年金は実質目減りする
 「年金は物価スライドだから物価が上がれば年金は上がるんでしょ。」と思っておられる方が多いと思います。しかし、実際には、年金の名目の受取額は増えますが、実質的な手取り額は減ります。
まず、デフレの時に本来減額すべきだった分を3年かけて減らすことになっています。これは、現役世代に過度な負担を押しつけることを避けるために必要なことです。ただし、2年で2%という急激なインフレを誘導する政策によって、特例水準が3年を待たずに解消されれば、史上初めてマクロ経済スライドが発動されることになります。そうすると、年金は、物価上昇率から1%前後のスライド調整率を引いた分しか増えません。つまり、実質的な年金受取額は減ります。
一橋大学の小黒教授は「年金給付の実質的削減こそ2%インフレの隠れた目的」と指摘し、マクロ経済スライドが順調に稼働した場合、2050年には貧困高齢者の割合は約25%に達すると指摘しています。
電気代が上がり、来年春から消費税が上がる中で、実質的年金給付額が目減りすることを高齢者の皆さんがちゃんと理解されているのでしょうか。

3. サラリーマンの生活を脅かす解雇しやすいルールづくり
アベノミクスの3本目の矢は、成長戦略です。金融緩和も公共事業による財政出動もカンフル剤に過ぎず、本格的な景気回復のためには、この成長戦略の成否が鍵となります。
しかし、問題は、産業競争力会議や規制改革会議雇用ワーキングチームといった場で、労働側の代表者を入れないで、主に経営者側の都合で、解雇の金銭解決や限定社員の導入といった解雇しやすいルールづくりが成長戦略の一環として議論されていることです。規制改革会議の雇用WTでは、厚生労働省のオブザーバー出席さえ断られたというから驚きです。
 小泉・竹中改革でも労働法制の規制緩和が推進され、結果として、今や全雇用者に占める非正規雇用の割合は約35%にも達しており、そのことが社会に様々な歪みをもたらしています。インフレは、年金生活者だけではなく、非正規雇用の低所得者にとっても厳しいことは言うまでもありません。

 民主党綱領には『我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つとあります』。アベノミクスが、中・低所得者に、年金生活者に、サラリーマンに、中小企業にとってどうかを語るのが私たちの役割だと思います。

カテゴリー: 政治 

アベノミクスの不都合な真実

2013年05月29日

1. 実体経済の回復はこれから
 アベノミクスによる円安・株高によって、景気回復への期待感が高まっていますが、為替差益による輸出大手の業績回復や株価上昇による富裕層の消費が中小企業や勤労者にまで波及するかどうかは、これからです。
 円安は、自動車産業をはじめとする製造業にとっては、たしかに追い風ですが、円高でも利益が出るようにと既に海外生産、現地調達の流れが進んでいます。円安とは関係なく仕事量そのものが減る傾向にあり、中小は苦しいという声もよく耳にします。過去最高益を視野に入れるトヨタも国内での設備投資には慎重で、頼みの設備投資の回復の兆しは未だ見えません。
 また、マンション業界は、消費税引き上げを見越した駆け込み需要もあり活気づいてきているものの、サラリーマンの所得は増えてないので、高価格帯と低価格帯は売れているが、最も多い中間価格帯の物件はそれほどでもないとの指摘もあります。
さらに、百貨店で高級品の売り上げが伸びている一方で、スーパーの売上高は前年比減で弱含みが続いており、消費者の財布のヒモは固く、円安による食品の値上がりがそれに追い打ちをかけています。
そして、ここに来て、エネルギーや食品の輸入コストのアップという円安の負の側面に加えて、株価の乱高下や長期金利の上昇といった不気味な動きも出始めています。

2. インフレで年金は実質目減りする
 「年金は物価スライドだから物価が上がれば年金は上がるんでしょ。」と思っておられる方が多いと思います。しかし、実際には、年金の名目の受取額は増えますが、実質的な手取り額は減ります。
まず、デフレの時に本来減額すべきだった分を3年かけて減らすことになっています。これは、現役世代に過度な負担を押しつけることを避けるために必要なことです。ただし、2年で2%という急激なインフレを誘導する政策によって、特例水準が3年を待たずに解消されれば、史上初めてマクロ経済スライドが発動されることになります。そうすると、年金は、物価上昇率から1%前後のスライド調整率を引いた分しか増えません。つまり、実質的な年金受取額は減ります。
一橋大学の小黒教授は「年金給付の実質的削減こそ2%インフレの隠れた目的」と指摘し、マクロ経済スライドが順調に稼働した場合、2050年には貧困高齢者の割合は約25%に達すると指摘しています。
電気代が上がり、来年春から消費税が上がる中で、実質的年金給付額が目減りすることを高齢者の皆さんがちゃんと理解されているのでしょうか。

3. サラリーマンの生活を脅かす解雇しやすいルールづくり
アベノミクスの3本目の矢は、成長戦略です。金融緩和も公共事業による財政出動もカンフル剤に過ぎず、本格的な景気回復のためには、この成長戦略の成否が鍵となります。
しかし、問題は、産業競争力会議や規制改革会議雇用ワーキングチームといった場で、労働側の代表者を入れないで、主に経営者側の都合で、解雇の金銭解決や限定社員の導入といった解雇しやすいルールづくりが成長戦略の一環として議論されていることです。規制改革会議の雇用WTでは、厚生労働省のオブザーバー出席さえ断られたというから驚きです。
 小泉・竹中改革でも労働法制の規制緩和が推進され、結果として、今や全雇用者に占める非正規雇用の割合は約35%にも達しており、そのことが社会に様々な歪みをもたらしています。インフレは、年金生活者だけではなく、非正規雇用の低所得者にとっても厳しいことは言うまでもありません。

 民主党綱領には『我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つとあります』。アベノミクスが、中・低所得者に、年金生活者に、サラリーマンに、中小企業にとってどうかを語るのが私たちの役割だと思います。

カテゴリー: 政治 

アベノミクスの不都合な真実

2013年05月29日

1. 実体経済の回復はこれから
 アベノミクスによる円安・株高によって、景気回復への期待感が高まっていますが、為替差益による輸出大手の業績回復や株価上昇による富裕層の消費が中小企業や勤労者にまで波及するかどうかは、これからです。
 円安は、自動車産業をはじめとする製造業にとっては、たしかに追い風ですが、円高でも利益が出るようにと既に海外生産、現地調達の流れが進んでいます。円安とは関係なく仕事量そのものが減る傾向にあり、中小は苦しいという声もよく耳にします。過去最高益を視野に入れるトヨタも国内での設備投資には慎重で、頼みの設備投資の回復の兆しは未だ見えません。
 また、マンション業界は、消費税引き上げを見越した駆け込み需要もあり活気づいてきているものの、サラリーマンの所得は増えてないので、高価格帯と低価格帯は売れているが、最も多い中間価格帯の物件はそれほどでもないとの指摘もあります。
さらに、百貨店で高級品の売り上げが伸びている一方で、スーパーの売上高は前年比減で弱含みが続いており、消費者の財布のヒモは固く、円安による食品の値上がりがそれに追い打ちをかけています。
そして、ここに来て、エネルギーや食品の輸入コストのアップという円安の負の側面に加えて、株価の乱高下や長期金利の上昇といった不気味な動きも出始めています。

2. インフレで年金は実質目減りする
 「年金は物価スライドだから物価が上がれば年金は上がるんでしょ。」と思っておられる方が多いと思います。しかし、実際には、年金の名目の受取額は増えますが、実質的な手取り額は減ります。
まず、デフレの時に本来減額すべきだった分を3年かけて減らすことになっています。これは、現役世代に過度な負担を押しつけることを避けるために必要なことです。ただし、2年で2%という急激なインフレを誘導する政策によって、特例水準が3年を待たずに解消されれば、史上初めてマクロ経済スライドが発動されることになります。そうすると、年金は、物価上昇率から1%前後のスライド調整率を引いた分しか増えません。つまり、実質的な年金受取額は減ります。
一橋大学の小黒教授は「年金給付の実質的削減こそ2%インフレの隠れた目的」と指摘し、マクロ経済スライドが順調に稼働した場合、2050年には貧困高齢者の割合は約25%に達すると指摘しています。
電気代が上がり、来年春から消費税が上がる中で、実質的年金給付額が目減りすることを高齢者の皆さんがちゃんと理解されているのでしょうか。

3. サラリーマンの生活を脅かす解雇しやすいルールづくり
アベノミクスの3本目の矢は、成長戦略です。金融緩和も公共事業による財政出動もカンフル剤に過ぎず、本格的な景気回復のためには、この成長戦略の成否が鍵となります。
しかし、問題は、産業競争力会議や規制改革会議雇用ワーキングチームといった場で、労働側の代表者を入れないで、主に経営者側の都合で、解雇の金銭解決や限定社員の導入といった解雇しやすいルールづくりが成長戦略の一環として議論されていることです。規制改革会議の雇用WTでは、厚生労働省のオブザーバー出席さえ断られたというから驚きです。
 小泉・竹中改革でも労働法制の規制緩和が推進され、結果として、今や全雇用者に占める非正規雇用の割合は約35%にも達しており、そのことが社会に様々な歪みをもたらしています。インフレは、年金生活者だけではなく、非正規雇用の低所得者にとっても厳しいことは言うまでもありません。

 民主党綱領には『我が党は、「生活者」「納税者」「消費者」「働く者」の立場に立つとあります』。アベノミクスが、中・低所得者に、年金生活者に、サラリーマンに、中小企業にとってどうかを語るのが私たちの役割だと思います。

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